|| 力と、力が移動させた距離
感覚的には、ものを移動させるなにか。
厳密には \mathrm{J} を単位に持つ物理量。
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目次
知っておくべきこと
国際単位系「基礎的な単位」
エネルギー「ものを移動させる力」
仕事「まあ要はエネルギーのこと(力学での)」
熱量「つまりはエネルギーのこと(熱力学での)」
仕事率「 1 秒でする仕事の量」
電力量「これは1秒間でのエネルギーのこと(電磁気学での)」
電荷「電磁気学でニュートンを考える時、必要になるやつ」
エネルギー
|| ものを動かすのに必要になるもの
これは、要は『動かすのに必要な力』のことです。
より厳密に言うなら、
『物体の位置を移動させるのに必要なもの』のことで、
主に「加速度」「熱」「電気」の形で実感することが多いですね。
いずれも『ものを動かす力』を持っていて、
例えば加速度なら、ある方向に「速度と移動距離」を与えます。
熱だと「水の状態」を見ると分かり易くて、
熱くなればなるほど水分子の動きは活発になり、
例えば 100℃ 以上なら、沸騰して水蒸気になります。
そして電気なら、
細かな動きとしては電子が動いているわけですが、
雷とか見れば、まあ分かりますよね。
とまあそんな感じで、
ざっくりとは、エネルギーってのはそういうやつです。
記号での表記については、
↓を覚えておけばだいたい大丈夫かと。
\begin{array}{rlll} \displaystyle 1\,\mathrm{J} &=&1\,\mathrm{m}・\mathrm{kg}・\mathrm{m}/\mathrm{s}^2 \\ \\ 1\,\mathrm{J} &=&1\,\mathrm{W}・\mathrm{s}&(=1\,\mathrm{J/s}・\mathrm{s}) \\ \\ 1\,\mathrm{J} &=&1\,\mathrm{V}・\mathrm{C}&(=1\,\mathrm{V}・\mathrm{A}・t) \end{array}
ここで出てきてるワット \mathrm{W} と、
クーロン \mathrm{C}
アンペア \mathrm{A} は↓で詳しく解説します。
仕事
|| まあ要はエネルギー
↑で言う「加速度と移動距離」っていうのが、
物理学では『仕事』と呼ばれてるものになります。
感覚的には「押す・押される」とか「浮く・沈む」とか、
そういう感じ。
「力が加わった瞬間」から、
更に「移動した結果」まで、
時間的にはこの部分を切り取って、
『力が働いた結果、必要になった力の合計』だとか、
『そこまで移動するのに必要だった力の合計』だとか、
まあそんな感じに解釈すると、
これは実感しやすいと思います。
まあ、要は『変化した後』の、
『力の合計』のことを言ってる感じで、
それを『加速度と移動距離』で表現してる感じです。
厳密に定めた結果は↓
1\,\mathrm{J} \,=\,1\,\mathrm{m}・\mathrm{kg}・\mathrm{m}/\mathrm{s}^2
これが物理学の『仕事 \mathrm{Work} 』の意味になります。
『力 1\mathrm{N} が 1\mathrm{m} 動かすまでに働いた力の合計』みたいな、
イメージとしてはそんな感じ。
まああれです。
難しく考えちゃダメです。
『実際の感覚 → 形式』の順で見ていってください。
熱量
|| 熱もものを動かせるよね
これはいわゆる「熱さ」のことで、
厳密には『微粒子の運動量』のこと指します。
って言われてもアレだと思うんですけど、
例えば「水」で考えてみると、
温度が高い場合、水の動きって活発ですよね?
氷は見ての通り止まっていますし、
水が動きやすいのは見ての通りですし、
水蒸気に至ってはぶわーって感じです。
まあつまり、
温度が低ければじっとしてる感じだし、
温度が高ければ動き回ってますよね?
実際、飲み物が入ったペットボトルとか、
温度が上がるとパンパンになるじゃないですか。
他にも、それこそ蒸気機関とか、
火力発電とかはその熱による膨張を利用したものです。
とまあ、実感しやすい話としてはこんな感じで、
熱もまた『ものを動かす力』があるわけですから、
それに由来した「エネルギーが定義できる」
というのはなんとなく分かると思います。
ただこれ、思っているよりも
厳密な定義っていうのがちょっとややこしくて、
わりと形式ばっています。
というのも、
具体的には「熱力学の法則」が基礎に来てるんですが、
これがだいぶ数式数式していて、なんか難しいです。
というのも、熱とエネルギーの話だと、
熱力学の第一法則とかがそうなんですけど、
これをざっと解説すると、
『実験してみた結果』から、
「熱がやった仕事」として、
あくまで力学的に、
温度はあまり考えず、
それっぽく定義されてるんですよ。
熱力学第一法則
これは「熱」と「エネルギー」の関係を
『とりあえず』定めるもので、
あるなんらかの塊の「熱 Q 」と「熱がした仕事 W 」から、
Q-W=U \,(\mathrm{J})
U は塊が持ってるエネルギーの総量
みたいな感じで表現されます。
見ての通り、熱のエネルギーについては、
「仕事→熱」の順番で定義されていて、
「熱」そのものの正体には言及されていません。
でもこれ、
要は『エネルギー保存の法則』のことですよね?
これだけ見ても、
なんか、んーって感じだと思います。
言いたいことは分からんでもないですけど、
肝心な「熱」の部分がはっきりしません。
なんかよく分からないけど、
いきなり「エネルギーと同じにされている」わけで、
なんでそうして良いの?
みたいな部分は説明されてないですし。
熱の解釈と圧力
「熱」は『膨らんでいく』っていう、
いわゆる「熱膨張」の感覚を考えると
実はちょっと分かりやすいです。
というのも、
「熱のエネルギーとしての解釈」っていうのは、
「膨れ上がろうとする圧力」だと、
そう定義すると、
なんとなく納得できるんですよ。
どういうことかというと、
「熱」はそのまま「エネルギー」として解釈されて、
その具体的な説明として『圧力』が考えられる、と。
まあそんな感じで、
『熱がすること』を考えるんです。
その一例として、
「熱」は、実質「エネルギーとして扱うよ」
って言ってるのが、この第1法則の中身なんですが、
それを説明するために、
「力」を『膨張する時の圧力』と考えることで、
そこに紐づけて「熱」を↓のように定義したりして、
\begin{array}{rlc} \displaystyle Q-W&=Q-PΔV \\ \\ ΔV&=V_{\mathrm{before}}-V_{\mathrm{after}} \end{array}
「仕事 W 」に着目することで、
それに合うように「熱」を定義します。
こうすることで、
「分かりやすい形(この場合、仕事)」と、
『比較できるように』してるんですね。
なのでまあ、実質的には「仕事 W 」が熱で、
Q は変わらず正体不明なままです。
そういう『仕事を生むなにか』だと、
そうこの式では定義されているだけで、
「熱の本質は何なのか」とか、
そういう話はここでは無視されています。
念のため、
実感しやすい話をしておきましょうか。
そのために、
例えば「爆発」とかで考えてみると、
当然ですが、これはものを移動させてますよね。
そしてこれも当然ですけど、
爆発にはだいたい「熱風」もセットでついてきます。
熱くない爆発は基本的に存在しません。
で、この現象なんですけど、
これは言い換えれば、
「熱によって勢いよく膨らんだ」結果、
「ものが移動した」と、そう言えるじゃないですか。
要はまあそういう感じで、
「圧力 \mathrm{P} (パスカル・pressure)」を使うと、
これを「 1 点にかかる圧力」だと定義する場合、
\displaystyle P=\frac{F}{S} \,\,\,\,\,(\mathrm{N}/m^2)
S は力がかかる面積
って感じに、熱を『圧力を与えるもの』として、
仕事に変換しやすい形で定義することができます。
その結果として、
『基準としておく』ために、
「熱」を第一法則のような形で定義しておく、と。
まあそんな感じで、
「熱」は「エネルギーと解釈する」
『ということにする』わけですね。
ちなみに「温度」は『水分とかの膨張』で測るので、
「圧力」と関係している値になります。
仕事率・電力・ワット( \mathrm{W} )
|| ややこしいやつ
これは『 1 秒間で使われるエネルギー \mathrm{J/s} 』のことであり、
あるいは『電力 P=IV 』でもあります。
より厳密には秒間でのエネルギーなわけですが、
変数は固定してる方が分かりやすいので、
「 1 秒間でのエネルギー」と覚えておいた方が良いでしょう。
だいたい「エネルギー」と「電気」を
『仲介してくれる』のがメインの役割で、
それ以外だと「時間経過で仕事を表現したい」時とか、
「電力の計算をしたい」時とか、
そういうので見ますね。
ざっくりとはこんな感じに。
\begin{array}{llll} 1\mathrm{W}&=1\mathrm{J/s} \\ \\ IV&=P&(\mathrm{W}) \end{array}
この関係式を覚えておけば、
これはまあ大丈夫だと思います。
両方とも実験結果から分かった法則、
ないし「良い感じに定義されたもの」なので、
ここは覚えるしかないですね。
電力量
|| 電力の合計(時間 t で消費された)
これの基礎は『ジュールの第一法則』ってやつで、
法則は、熱と電流の関係を調べた実験結果になります。
具体的には↓のことですね。
『直流の場合では VIt=W\,(\mathrm{J}) 』
『交流の場合では VI(\cos θ)dt=dW \,(\mathrm{J}) 』(有効電力量)
I\,(\mathrm{A}) は『電流』のことで、 t は時間(秒)
V\,(\mathrm{V}) は『電圧』になります。
「交流」の際に「微小時間 dt 」を使うのは、
『時間で電圧が変化するから』で、
それ以上の意味は特にありません。
でもまあ微小 dt の書き方が分かり難いからか、
「電力 VI\cos θ 」で書かれることは多いですね。
電圧と電流
『電圧』と『電流』についてざっと紹介しておきます。
とりあえず感覚的な話をしておくと、
『電圧』は「高さ」
『電流』は「落ちて流れる水」
こういう感じで覚えるとイメージしやすいです。
厳密には
『電子の数の偏り』が「電圧」で、
『正孔(電子が入れる穴)の移動』が「電流」なんですが、
これは「正孔」とか「電子」とか、
そういう単語が出てくるので、
まずは「高さ」と「水」で覚えるのをおすすめします。
電流・電圧の測定
電流や電圧の測定には、だいたい磁場を使います。
というのも、金属に電流が流れると
「電磁石」ができたりするじゃないですか。
まあつまり、
「動く金属の長さ」とかを見ると、
それで『電流の大きさ』を比較できたりするんですよ。
例えば「同じ素材(抵抗値が定数)」に対して
「2つの電圧」をかけた場合、
「より右に傾く方」が「より高電圧」って具合に、
どこかで基準を設ければ、
それより大きいか、小さいか、
判断できるようになります。
はい。とまあそんな感じですから、
「ものの動き」っていう感覚は
わりとすぐに実感できると思います。
『仕事』で定義できそう、という感覚も、
まあそりゃできるだろうと思えるでしょう。
オームの法則
これは電気の話の中でも、
特にものすごく基本的な話で、
\begin{array}{rlc} \displaystyle R&\displaystyle =\frac{V}{I}&&\displaystyle\left(Ω=\frac{V}{A}\right) \end{array}
たぶん、知らない人の方が珍しいと思います。
覚えてない人はけっこういるかもしれませんが。
まあともかく、
そういう「電気」に関する実験結果ってのがあって、
その成果として得られたのが、
この「オームの法則」なんですね。
これの R\,(\mathrm{Ω}) は『電流の流れにくさ』を表す指標
まあ、いわゆる「抵抗」って呼ばれてるやつで、
素材・状態が決まると、一定の値に定まります。
V=RI
この値・式の意味はすごく単純で、
例えば「抵抗の値が大きい」場合、
「ちょっとの電流」を流すために
「大きな電圧」が必要だということが分かって、
他にも「抵抗の値が小さい」場合、
「大きな電流」を「小さな電圧」で流すことができる
ということが分かります。
逆を言えば、
『低い電圧で電流が流れやすい』場合、
その素材は「抵抗値が低い」とも言えるわけで。
まあつまりこれ、
『電流・電圧・抵抗を全て測定できる』んです。
そう考えると、これがかなり重要だ、
っていうのは納得できるかと。
ついでに念のため確認しておくと、
R の正式名称は「電気抵抗 \mathrm{resistance} 」です。
1/R は「電気伝導度 \mathrm{conductance} 」って呼ばれています。
電子と正孔
電流の具体的なイメージは、
実は「電子」で考えると少し難しいです。
というのも、
電子は『低い電圧から高い電圧へ』流れるので、
直感とそっくり逆になっちゃうんですよ。
なので「電子」で流れを追うよりは、
『電子が入ることができる穴』である、
「正孔」の方を考えた方が直感的になります。
ちなみに「正孔の電荷」は、
「電子の電荷」が『マイナス』になるのに対して、
『結果的に』「プラス」という形で定義されています。
より厳密には『原子核にある陽子の電荷』なんですけど、
まあここは似たようなものなのであまり変わりません。
で、この「正孔」を使って考えると
いったい何が嬉しいのかって話なんですが、
実はこう考えると、
『電流』を「正孔が下に落ちる」感じ
『電圧』を「正孔が落ちる高さ」という具合に、
「電子の流れ」よりも、
「より直感的な」解釈ができるようになります。
詳しくは後述しますが、
『電圧』は「電位の高低差」でして、
この「電位」は『高さ(ビルの高さ的な)』として解釈できて、
V=V_{\mathrm{high}}-V_{\mathrm{low}}
この場合、
「電流の大きさ」は『落ちる水の量』
「電圧の大きさ」は『高さ・高低差』を表す感じになります。
まあつまり「電圧が高い」と、
「たくさんの正孔」に力が加わって、
『その分、正孔がたくさん落ちて』いく感じで、
逆に電子は登っていくわけですが、
ともかく、これが電気の感覚なんです。
要は『もの(正孔)を落としてる』ってだけの話なので
そう考えるとそんなに難しくないと思うんですけど、
さてどうでしょうか。
電力量と仕事
こう見ると分かると思うんですけど、
「電圧」はそのまま『高さ』と解釈出来て、
「電流」は『電子を動かす力』と解釈できるわけで、
実際に調べてみた結果(ジュールの第1法則)から、
『電力量 VIt\,(\mathrm{J}) (ジュール)』が定義できて、
『電力 P=VI\,(\mathrm{W}) (ワット)』も定義できます。
はい、まあそんな感じで、
電気に関しては、おおまかにはこんな流れですね。
謎な部分は「ジュールの第1法則」ですが、
これは実験結果なので、そうなると思うしかありません。
『単位』は「計測方法」に依存してしまうので、
この結果は確認してみるなり覚えるなりしてください。
電荷・クーロン \mathrm{C}
|| 要は電気の量のこと
電気的な『引っ付いたり離れたりする時の力』
『それの大きさを決める量』のことを、電荷と言います。
\begin{array}{rlc} \displaystyle F&\displaystyle =k\frac{q_1q_2}{r^2} \\ \\ \\ k&\displaystyle =\frac{1}{4πε_0} \\ \\ ε_0&\displaystyle =8.854×10^{-12} (\mathrm{A}^2·\mathrm{s}^2·\mathrm{N}^{−1}·\mathrm{m}^{−2}) \end{array}
『クーロンの法則』が元になってる考え方ですね。
ここの「変数 q_1 と q_2 の単位」が『クーロン』です。
この「電荷を表す単位(クーロン)」は
「 \mathrm{A} (アンペア)」の定義に使われてる単位で、
確実に覚えるべき単位の1つになります。
\begin{array}{rlc} \displaystyle 1.602176634×10^{-19} \mathrm{C} \end{array}
ちなみに『電子1個の電荷』はこれです。
これは「電気素量」なんて呼ばれたりもしますね。
『ミクロ系での電荷の基準値』とも言えます。
とても小さい値なので、
『マクロ系だと無視しても特に問題が無い値』ですが、
覚えておくと、例えば「電荷が 1.6 \mathrm{C} 」の時、
そこに『余った電子が 10^{19} 個くらいある』
ってことが分かったりします。
クーロンの法則
『磁石』を思い出してください。
あの引っ付いたり反発したりする力・現象。
「クーロンの法則」って言われてるやつは、
要は、この性質を表す式になります。
\begin{array}{rlc} \displaystyle F&\displaystyle =k\frac{q_1q_2}{r^2} \\ \\ &\displaystyle =\frac{1}{4π・8.854×10^{-12}}・\frac{q_1q_2}{r^2} \, (\mathrm{N}) \end{array}
具体的にはこれが「クーロンの法則」です。
「変数 q の単位」がクーロン \mathrm{C}
( r は距離・ k は定数)
「単位の関係」は↓
\mathrm{A}=\mathrm{C}/\mathrm{s}
これで「アンペア \mathrm{A} 」は定義されています。
\begin{array}{rlllll} \displaystyle e&=1.602\,176\,634・10^{-19}\,\mathrm{C}&&(≒1.6・10^{-19}) \\ \\ \\ \mathrm{C}&\displaystyle =\frac{e}{ 1.602\,176\,634・10^{-19} } \end{array}
厳密な定義はこう。
これで「クーロン \mathrm{C} 」が定義されて、
\begin{array}{rlc} \displaystyle \mathrm{A}&\displaystyle = \frac{e}{ 1.602\,176\,634・10^{-19} } \mathrm{s}^{-1} \end{array}
後は時間を加える感じで、
「アンペア \mathrm{A} 」は定義されています。
再度確認しておくと、
この「 e 」が『電気素量』と言われていて、
-e=-1.602\,176\,634・10^{-19}\,\mathrm{C}
これが『実際に測った電子 1 個の電荷』になります。
電荷と力の向きとマイナスとプラス
「電子の電荷」がマイナスになっているのは、
「負電荷」を持つから。それだけですね。
ただ、これはあくまで結果論。
「陽子を正電荷とする」から、
電流の流れとは逆に流れる、としているだけで、
それ以上の意味は特にありません。
まあつまり、
「正電荷を持つなにか」が右に移動するとする場合、
「電子はそれに引かれる」から『向きが逆になる』だけで、
必ずマイナスにしなければならない
というわけではないんですよ。
しようと思えば、
電子の向きを正にして考えることも可能です。
その場合は、陽子の電荷が負になりますね。
もう一度言っておくと、
『正電荷の方向を正だと決めたから』
結果的に、負電荷の「方向を表す符号」は
マイナスで定義されることになりました。
まとめると、
「電子の移動の向き」に対して、
「電流の向き」は必ず正反対になる。(実験結果)
その理由は、
「正電荷」は『電子を引き付ける力』だから。
これに対して「負電荷」は
『電子の密度が上がり過ぎないように』
外へ押し出そうとすることから、
\begin{array}{cccccccccc} \displaystyle &-&&&&- \\ \\ ←&〇&&&&〇&→ \\ \\ \\ &+&&&&- \\ \\ &〇&→&&←&〇 \end{array}
結果的に『電子を遠ざける力』になるので、
ちょうど力の向きが逆に。
結果として、
「図形的に向きを決める」と、
\begin{array}{lllllll} \displaystyle \mathrm{Right}&+ \\ \\ \mathrm{Left}&- \\ \\ \\ \mathrm{Right}&q&>0 \\ \\ \mathrm{Left}&q&<0 \\ \\ \\ \mathrm{Right}&q_1q_2&>0 \\ \\ \mathrm{Left}&q_1q_2&<0 \\ \\ \\ \mathrm{Right}&F_1+F_2&>0 \\ \\ \mathrm{Left}&F_1+F_2&<0\end{array}
「左右に2つある」として、
「右側のやつ」に注目するなら、
このような感じで、
負電荷はマイナスの符号を持つことになる。
以上が、クーロンの法則の詳細になります。
磁石を考えればイメージは簡単かと。
物理現象の共通点
「力」「熱」「電気」っていう物理現象は、
いずれも『偏りを無くす』という方向で力が作用します。
これが、物理現象の基本的な動きです。
いわゆる「エントロピー増大の法則」
とか言われるやつですね。
ものというのは集まれば広がっていって、
隙間が空けば埋まっていく。
これが物理現象で共通に見られる、
『偏りを減らす』っていう性質になります。
これは特に、
「熱」の場合だと本当に実感しやすくて、
というのも、
狭い範囲が熱いと、周りに熱を与えて冷えていきますし、
狭い範囲が冷たいと、周りから熱を奪って温まっていきますよね。
中身としては、
「よく動く粒(原子・分子)」が周りとぶつかって、
それで動いていた粒の勢いが削がれていく感じで、
これが結果的に『偏りを減らす』ことになり、
状態は均一化されていくことに。
『電流』の場合もこれは同様で、
これも「集まってる電子が持ってるパラメーター」の
『偏りを無くす』っていう方向で動きます。
というのも、例えば水面でイメージしてみると、
ある一点の波紋は広がって、いずれ無くなりますよね?
「集まってる電子」の感覚ってのはこれに似ていて、
『よく動く電子は周りにエネルギーをばらまく』って具合に、
結果的に、『電子の状態は均一になっていく』んですよ。
これも熱に似た感覚です。
まあ根本的には同様のものなので
似てるのは当然なんですが。
はい。とまあこのように、
「エネルギー」というのは、
基本的には『ものが動く・動かす力』のことを指していて、
これは当然、
『周りに影響を及ぼしています』から、
その「結果」として、
『偏りは無くなっていく』ことになって、
エネルギーはその方向に動く。
これが物理現象に共通にみられる動きになります。
例外は特にありません。
エネルギーについてのまとめ
最後、エネルギーについて、
大雑把にまとめておきます。
「運動」は『人間が実感しやすい形のエネルギー』
「熱」は『小さな粒のエネルギーの集まり』
「電気」は『電子のエネルギーの集まり』
「熱」や「電子」は、
『小さ過ぎる』し『多過ぎる』ので、
どうしても統計的になってしまう。
「理解しやすい形」として、
『どれくらいものが動くか』っていう
「運動」が、エネルギーの解釈の基礎にくる。
と、以上、
エネルギーの感覚については、
ざっとまとめるとこんな感じですね。
>>続き(科学の大分野)