|| 同じっていう感覚の厳密な意味
「同じ」の形式的な表現。
スポンサーリンク
目次
・関係「集合の中にある要素同士がどうか」
二項関係「二つの要素の関係」
反射律「自身との関係が成立する」
対称律「入れ替えても関係が成立する」
推移律「成立する関係がまたいでも成立する」
・同値関係「二つを同じとみなしていい」
同値関係の奇妙さ「迂闊に使えない関係」
・同値類「同値関係の使用例」
・相等関係「要素同士が完全に一致してる」
=はそんなに使えないよ、っていうお話
この記事では「同じ」についての話をしていきます。
皆さんおなじみの『イコール = 』
これが厳密にはどういうもので
どれだけ変な使い方をされているかとか
そのせいでどれだけ多くの勘違いが生まれてるかとか
そういうのを
他の関係とかと比較したり
実際にどういう勘違いに繋がるとかを紹介したり
まあなんかそういうことをして説明していきます。
理解すれば劇的に勘違いが減るので
ぜひ参考にしてください。
関係 Relation
|| 同値関係を語る前に
『 A と B は ~ だ』みたいな「感覚」
詳細は『関係』で解説しています。
\begin{array}{llllll} \displaystyle A&R&B \\ \\ A&=&B \\ \\ A&<&B \end{array}
厳密には「集合内での元(要素)の対応」のことで
その2つの『違い』をこれは表現します。
\begin{array}{llllll} \displaystyle R(A,B) \end{array}
「集合論」的には「直積」の操作で表現しますね。
二項関係 Binary Relation
|| 関係って言ったらだいたいこれ
『 2 つの項』の「関係」のこと。
「同値関係」も 2 項関係になります。
\begin{array}{llllll} \displaystyle A&=&B \\ \\ A&<&B \\ \\ A&∈&B \\ \\ A&⊂&B \end{array}
まあぶっちゃけ、これ以外はほぼ使いません。
\begin{array}{llllll} \displaystyle R(a_0,a_1,a_2,...,a_n) \end{array}
n 項関係なんかは厳密な定義とか証明とか
そういうので見るくらいで
実用性のあるものはほぼ無いです。
反射関係 Reflexive Relation
|| 自分自身との関係
「自身との関係が成立する」『関係』のこと。
『反射律』という言葉の方が見るかもしれません。
\begin{array}{llllll} \displaystyle a&≧&a \\ \\ a&=&a \\ \\ a&≡&a \end{array}
これは「同値関係」が必ず満たす性質で
同値関係の本質の1つ、と言える部分になります。
\begin{array}{llllll} \displaystyle ∀e∈S&eR_{\mathrm{Reflexive}}e \end{array}
というのも、ほとんどの関係はこれを満たさず
\begin{array}{llllll} \displaystyle a&>&a &&× \\ \\ a&≥&a &&〇 \\ \\ a&∈&a &&× \\ \\ a&⊂&a &&× \end{array}
満たすとしても
このように『同値関係』が付け足されているので
基本、この性質と「同値」は切り離せないんですよ。
対称関係 Symmetric Relation
|| 入れ替えても関係の意味が変わらない
「入れ替えても正しくなる」『関係』のこと。
『対称律』とか『対称的』とか言われたりもします。
\begin{array}{lllllllllll} \displaystyle a&≧&b &&& b&≧&a \\ \\ a&=&b &&& b&=&a \\ \\ a&≡&b &&& b&≡&a \end{array}
これもほぼ「等しい」と同じ意味を持つもので
『同値』の本質に近いものになります。
\begin{array}{llllll} \displaystyle ∀e_1,e_2∈S&\Bigl(e_1Re_2→e_2Re_1 \Bigr) \end{array}
基本、これと「反射律」を満たすなら『同値』関係
そう思って特に問題はありません。
推移関係 Transitive Relation
|| 数学の本質に近い性質
「三段論法」とかで使うやつ。
\begin{array}{llllll} \displaystyle ∀e_1,e_2,e_3∈S&\Bigl[ (e_1Re_2∧e_2Re_3)→(e_1Re_3) \Bigr] \end{array}
「あれならこれ」「これならそれ」だったら
「あれならそれ」みたいな感じの話で
\begin{array}{llllll} \displaystyle A⊂B⊂C&&→&&A⊂C \\ \\ A=B=C&&→&&A=C \end{array}
具体的にはこういうのですね。
\begin{array}{llllll} \displaystyle A∈B∈C&&→&&A∈C &&△ \end{array}
ちなみにこれは
「必ず満たすとは限らない」代表的な例になります。
同値関係 Equivalence
|| ぱっと見なんか分かる感じ
「 a≡b,a≡_Rb 」こういうやつらのこと。
『反射律』『対称律』『推移律』を満たします。
\begin{array}{llllll} \displaystyle a&=&a \\ \\ a&=&b && && →&& b&=&a \\ \\ a&=&b&=&c &&→&& a&=&c \end{array}
まあ要は「同じ」ってことで
この関係はそれを示すために使われます。
同値関係の特別性
『対称律』と『推移律』なんですが
\begin{array}{llllll} a&=&b && && →&& b&=&a \\ \\ a&=&b&=&c &&→&& a&=&c \end{array}
これ、普通は両立しないよね?
ってのはなんとなく分かりませんか。
\begin{array}{llllll} \displaystyle a&<&b && && →&& b&<&a &&× \\ \\ a&<&b&<&c &&→&& a&<&c &&〇 \end{array}
まあ例えばこういうので見ても
片方しか成立することはありません。
\begin{array}{llllll} \displaystyle a&≤&b && && →&& b&≤&a &&〇 \\ \\ a&≤&b&≤&c &&→&& a&≤&c &&〇 \end{array}
「推移律」と「対称律」を『両立』させようとすると
必ず『同値関係』を考える必要があります。
結果論
なんで ↑ のようになるのか
これを説明する方法はありません。
\begin{array}{llllll} \displaystyle a&=&b \end{array}
『同値関係』という感覚が
「対称律」や「推移律」を満たすのは「公理」です。
そういうものとするしかなくて
実際、どんな関係を考えてみても
「推移律」と「対称律」を両立するとなると
\begin{array}{llllll} \displaystyle a&R&b&R&c &&→&&a&R&c \\ \\ a&R&b&& &&→&&b&R&a \end{array}
『同じ』という感覚を使う以外には
この反対となる「違う」くらいしかありません。
\begin{array}{llllll} \displaystyle a&R&b &&→&&b&R&a \end{array}
『対称律』がガチガチに関係の範囲を縛っていますし
\begin{array}{llllll} \displaystyle a&R&b&R&c &&→&&a&R&c \end{array}
「左右の入れ替えが可能(対称律)」
「左に詰めることができる(推移律)」
\begin{array}{llllll} \displaystyle a&=&b&=&c &&→&&a&=&c \\ \\ a&=&b&& &&→&&b&=&a \\ \\ \\ \displaystyle a&≠&b&≠&c &&→&&a&≠&c \\ \\ a&≠&b&& &&→&&b&≠&a \end{array}
これを満たせるのは本当に限られているので。
ちなみに「同値」以外の『異なる』は
\begin{array}{llllll} \displaystyle a&≠&b&≠&c &&→&& a&≠&c &&〇 \\ \\ a&≠&b&& &&→&& b&≠&a&&〇 \end{array}
\begin{array}{llllll} \displaystyle a&≠&a &&×\end{array}
『反射律』によって排除されます。
対称律と推移律が生む勘違い
『対称律』と『推移律』なんですが
実はこれ、多くの勘違いを生んでいたりします。
「 a と b は友人だ」→「 aR_{\mathrm{friend}}b 」
「 a と b は家族だ」→「 aR_{\mathrm{familiy}}b 」
どういうことか説明するために
こういう『対称律』を満たす「関係」を考えてみます。
『同じカテゴリーに含まれてる』って言ってるので
これはかなり「同じ」という感覚に近いですが
\begin{array}{llllll} \displaystyle a&R_{\mathrm{friend}}&b&R_{\mathrm{friend}}&c &&→&&a&R_{\mathrm{friend}}&c \end{array}
これ、おかしいですよね?
ちょっと残酷な例えではありますが
「 a と b は友人だ」と「 b と c は友人だ」
ここから「 a と c は友人だ」は確実に正しいとは言えません。
いわゆる友人の友人はってやつです。
友人とは友人でも、その友人と友人であるとは限りません。
家族も同様。
とまあこのように
『対称律』と『推移律』は別物である。
これはすぐに分かるんですけど
「 a と b は似ている」→「 aR_{\mathrm{like}}b 」
「 a と b は近い」→「 aR_{\mathrm{near}}b 」
例えばこういう同値関係を考えた時
人は勘違いに陥ることが多々あったりします。
同じと推移律っぽい何か
『推移律』を「満たすように見える」もの
これは確かに存在しています。
\begin{array}{llllll} \displaystyle 1000&R_{\mathrm{near}}&1001&R_{\mathrm{near}}&1002&\cdots&2000 \end{array}
見ての通り
そういう関係は離れていけばいくほど遠ざかり
最終的に、推移律が成立することは無くなるわけですが
\begin{array}{llllll} \displaystyle 1000&R_{\mathrm{near}}&1005 \end{array}
しかし一見すると
この「関係」は成立してるように見えてしまう。
\begin{array}{lcllll} \displaystyle 自分&R_{\mathrm{near}}&すごい人 \\ \\ 自分&=&すごい人 \end{array}
人はこんな時に
「同じだ」と勘違いを起こしちゃうことがあって
「 a と b は普通の人間である」
「 a と b は悪である」
「 a と b は正義である」
例えばこういう関係があった時
「同じだ」という錯覚を起こすことがあるんです。
細かいようですがこれはわりと深刻な話で
このせいで起きている問題は非常に多く
例えば
「平等」であることが『正義』であること
「差別」することは『悪』であることなど
これらの説明には
この『同じに見える推移関係』が関わっていて
そのせいで酷い勘違いを起こしてしまっている。
結果として、社会が歪む要因となっている。
と、ざっくりとはそんな感じなんですよ。
実際、↓ を見て多くの人はどう思うでしょうか。
「見た目で対応を変えることは差別である」
「ある人種に罵声を浴びせることは差別である」
「人を傷つけることは悪である」
これ、皆さんにはどう見えていますか?
実際には『全て違う話』なんですけど
なんだか「同じような話」に見えていませんか?
はい。とまあこれはそんな感じの話で
だからこそ厄介な問題と言わざるを得ません。
おかしい、と思えない人が多いので。
以上、『同値関係』についての説明はこんな感じ。
念のためざっくりまとめておくと、
『推移関係』は途中まで満たすことがある。
『対称関係』と『推移律』は両立させるのが困難。
この辺りを覚えていればまあ大丈夫でしょう。
基本、同値の本質はこの辺りに集約されていますから。
同値類 Equivalence Class
|| 同値関係を使って得た部分集合
「同値関係」を使って『分けたやつ』のこと。
\begin{array}{llllll} \displaystyle \{ 0,2,4,6,8,10,... \} \\ \\ \{ 2,3,5,7,11,13,17,... \} \end{array}
これはわりと日常的に使われるやつですね。
やるべきこととそうでないことを分けるとか
1000円札と硬貨を分けるとか
こういう時に人が無意識に使っている「同値関係」
それを基準にして分類する
\begin{array}{llllll} \displaystyle S_{\mathrm{EquivalenceClass}}&=&\{ e∈S \mid eR_{\mathrm{equivalence}}\mathrm{Condition} \} \end{array}
こういうのを『類別』って言うんですけど
\begin{array}{llllll} \displaystyle \{1円玉,5円玉,...,1000円札,...\} \\ \\ \{硬貨,紙幣\} \end{array}
\begin{array}{llllll} \displaystyle eは硬貨だ &&→&& \{1円玉,5円玉,10円玉,50円玉,100円玉,500円玉,\} \\ \\ eはお札だ&&→&&\{1000円札,2000円札,5000円札,10000円札\} \end{array}
この結果できた「要素(部分集合)の1つ」
これが『同値類』で
\begin{array}{llllll} \displaystyle S_{\mathrm{EquivalenceClass}}&=&\{ e∈S \mid eR_{\mathrm{equivalence}}硬貨 \} \\ \\ S_{\mathrm{EquivalenceClass}}&=&\{ e∈S \mid eR_{\mathrm{equivalence}}お札 \} \end{array}
『類別』はこれを作る操作になります。
相等関係 Equality
|| 相等って書くと難しく見える
『イコール = 』のこと。
\begin{array}{llllll} \displaystyle S&=&S \end{array}
見ての通りこれは「二項関係」です。
それでいて「同値関係」の一種になります。
これは数学を代表する「記号」とも言えますが、
もっとも突っ込みどころの多い記号でもあって
基本的に『取り扱い厳重注意』の記号になります。
事実とは異なる結果を導く
これ、実は実用性という観点から見ると
基本的に使える記号ではありません。
というのもこれ
『事実とは異なる結果』を導くんですよ。
\begin{array}{llllll} \displaystyle A&=&B&&〇 \\ \\ A_{\mathrm{real}}&≒&B_{\mathrm{real}}&&〇 \\ \\ A_{\mathrm{real}}&≠&B_{\mathrm{real}}&&〇 \end{array}
学校でずっと使うせいでしょうか。
なぜか当たり前みたいに使われていますが
\begin{array}{llllll} \displaystyle =&×&&∈&〇 \\ \\ =&×&&≒&〇 \end{array}
イコールの実態は ↑ のどちらかがほとんど。
\begin{array}{clcllllll} \displaystyle 1&=&1 \\ \\ \mathrm{Apple}_{\mathrm{left}}&≒&\mathrm{Apple}_{\mathrm{right}} \end{array}
使えるのは数値処理の時だけです。
他のパターンで使うことは基本的にできません。
実用的数学
動画でも解説していますが
原理的な話はここに書いておきます。
というわけで
「使える場面がほとんどない」
この原理的な根拠を解説していきます。
まずは事実確認から。
「等号」は「関係」である(同値関係の一種)
そのため『要素同士』でしか成立しない
この時点で あっ って感じですけど
まあ要はそういうことで
「集合」と「元(要素)」の間には
基本的に = は成立しないんですよ。
\begin{array}{llllll} \displaystyle e&∈&S \\ \\ e&≠&S \end{array}
これはマクロとミクロ
そういう感覚からも直観的に理解できる話で
例えば
「平均」と「データ」は基本的に同じじゃないとか
「国家」とそれを構成する「個人」の意志は同じじゃないとか
まあ、当たり前の話ですよね。
でも実際には
この「当たり前」を否定しちゃう人は多くて
\begin{array}{llllll} \displaystyle e&∈&S &&〇 \\ \\ e&=&S&&× \end{array}
このように考えてしまう人は多いです。
イコールとパラメーターの無視
根本的に『比較する2つのもの』は
『同じ』になることはあり得ません。
\begin{array}{llllll} \displaystyle a&=&b &&△ \\ \\ a&≒&b &&〇 \\ \\ a&≠&b &&〇 \end{array}
具体的な例を考えてみてください。
任意に「2つのもの」を用意すると
それがどれだけ似通っていても
\begin{array}{llllll} \displaystyle \mathrm{Apple}_{\mathrm{left}}&≒&\mathrm{Apple}_{\mathrm{right}} \end{array}
完全に一致することはありません。
必ず何かしらの「違い」が存在します。
例えば「リンゴ」を考えてみても
「大きいリンゴ」「小さいリンゴ」があって
「美味しいリンゴ」「不味いリンゴ」がありますよね。
それに『位置』については
どうあっても一致させることはできません。
まあつまり『同じとみなせる』ということは
『パラメーターを無視した場合だけ』で
\begin{array}{llllll} \displaystyle \mathrm{Position}&∈&A \\ \\ \mathrm{Position}&∈&B \end{array}
\begin{array}{llllll} \displaystyle S_{\mathrm{difference}}&=&\{ \mathrm{Position} , ... \} \end{array}
\begin{array}{llllll} \displaystyle A_{\mathrm{cut}}&=&A\setminus S_{\mathrm{difference}} \\ \\ B_{\mathrm{cut}}&=&B\setminus S_{\mathrm{difference}} \end{array}
\begin{array}{llllll} \displaystyle A&≒&B \\ \\ A_{\mathrm{cut}}&=&B_{\mathrm{cut}} \end{array}
『事実』として「同じ」なのではなく
『あるパラメーターを無視すると』
という仮定があった上での「同じ」なんですよ。
イコールが成立する厳しい条件
『それ自身がそれ自身である』ということを言う場合
『特定のパラメーター以外を無視する』場合
イコールはこの2パターンでしか使うことはできません。
\begin{array}{llllll} \displaystyle S&=&S \end{array}
実用的なものは
「数値の処理」を除くとするなら
『特定のパラメーター以外を無視する』パターンなんですが
このパターンは「違うもの同士」を
『同じということにしている』ので
『事実・実際』とは必ずズレが生じることになります。
これで分かったと思うんですが
「真実性が保証されている」のは
『それ自身がそれ自身である』というパターンのみで
『特定のパラメーター以外を無視する』パターンは
元より『事実とは違いがある』ものなんですよ。
馴染み過ぎたイコール
イコールは日常で見られる記号であり
だからこそ、頻繁に『間違い』を生んでもいます。
\begin{array}{llllll} \displaystyle e∈S&&→&&e=S \\ \\ \displaystyle \frac{|S_A∩S_B|}{|S_A∪S_B|}≒1&&→&&S_A=S_B \end{array}
結論から行くと
こういうことをしている人が多くて
このせいで頻繁に変な結論が導かれています。
坊主憎けりゃのやつ
代表的な勘違い
その1つが「帰属関係」との混同ですね。
\begin{array}{llllll} \displaystyle \displaystyle e∈S&&→&&e=S \end{array}
「犯罪を犯した男がいた」→「男は犯罪を犯す」
「頭の悪い女がいた」 →「女は頭が悪い」
具体的にはこういうやつで
まあわりと見る考え方だと思います。
ただまあ分かるとは思いますが
これ、普通に間違ってますよね。
フェミとかポリコレとか
こういうやつらが気持ち悪いと感じるのはこれが理由で
論理的に見て、連中の主張は普通に間違ってるんですよ。
「一部の女性の意見」→「女性全体の意見」
「一部の男の悪行」 →「男全体の悪行」
いや、見れば見るほど変ですよね。
\begin{array}{llllll} \displaystyle \displaystyle e∈S&&→&&e=S \end{array}
改めて見てみると
なんでこれが罷り通っているのか謎です。
平等の本質
『違いを無視する』ということ。
これが「平等」の本質になります。
\begin{array}{llllll} \displaystyle \frac{|S_A∩S_B|}{|S_A∪S_B|}≒1&&→&&S_A=S_B \end{array}
「イコール = 」という記号は
基本的に『区別するのが面倒くさい』場面で使われます。
\begin{array}{llllll} \displaystyle \displaystyle \frac{|S_A∩S_B|}{|S_A∪S_B|}≒1 \end{array}
つまり「実態」は
『共通部分が多い』だけで「同じ」ではなく
\begin{array}{llllll} \displaystyle S_A∩S_B&≒&S_A \\ \\ S_A∩S_B&≒&S_B \end{array}
しかし「同じということにする」方が楽だから
同じということにしてしまう。
例えば
「一人、二人、三人…」
「一個、二個、三個…」とか
こういう『数える』という行為を行うために
『違いがあるはずのもの』の『違いを無視する』ことで
「まとめて扱える」ようにする。
これが「イコール = 」「平等」の感覚なんです。
まあつまり、横着してるだけ。
単なる『簡単に考えるための考え方』でしかなく
根本的に
『違うものを同じとする』わけですから
事実とはズレた結論が最終的には導かれます。
「正しくなるように見えるもの」も
その実態は『正解の近似値』でしかありません。
「できるだけパラメーターを無視しない」で
『精度を上げている』パターンも
結局は机上の話でしかないんですよ。
なにより、そういうのは『統計』の話なので
「日常的に使えるようなもの」ではありません。
まあつまり『平等 = 』とは
あくまで「形式的な手順」でしかなく
正義でも悪でも何でもないんです。
それを「正義」だとするから
『個性を否定する』ことに繋がり
『違いを無視する』から現実と乖離する
考えてみれば当たり前の話ですが
この当たり前を見落とす人は多いんですよね。
以上、イコールについてはこんな感じ。
これで分かったと思いますが
「イコール」は基本的に使えません。
なので、身の回りからイコールを撲滅していきましょう。
確認しておくと
「イコール」が出てきたら
『帰属関係がある』か
『共通部分が多い』か
ほぼ全てこのどちかのパターンなので
これを頭の中で修正。
そうすると、変な勘違いが激減したり
おかしなことを言ってる人がなんでおかしいのか
そういうのが分かったりします。