数え上げ Counting


|| そのまま個数を数えるやり方とか

順列とか組み合わせとかの話

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目次

 

数え上げ「順列とか組合せとか使うやつ」

 

   順列「順番に並べる時に並べ方は何通りあるか」

      同じ要素を区別しない「同じものを入れ替えても同じ」

         具体例「実際どんな感じか」

         一般化「正しさについて帰納的に見てみる」

         個数を指定「成立しない場合を確認」

 

   組合せ「1つを1回だけ選ぶ時に選び方は何通りあるか」

      重複組み合せ「同じものも選んで良い場合」

 

   二項定理n 次多項式展開の係数について」

 

 

 

 

 


数え上げ Counting

 

|| 自然数に並ぶくらい基礎的な数学の根幹

数学と言えばだいたい何かを数えています。

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle n!&:=&n(n-1)(n-2)(n-3)\cdots 3 \times 2\times 1 \end{array}

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle {}_n\mathrm{P}_r&:=&\displaystyle\frac{n!}{(n-r)!} \\ \\ {}_n\mathrm{C}_r&:=&\displaystyle \frac{n!}{(n-r)!r!} \\ \\ \\ {}_n\mathrm{H}_r&:=&\displaystyle\frac{(n-1+r)!}{(n-1)!r!} \end{array}

 

実用レベルではだいたいこういうのが。

 

 

 


 


順列 Permutation

 

|| 順番に並んでる列

「並び」が何通りあるかを『数える方法』

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle {}_n\mathrm{π}_r&:=&n^r \end{array}

 

\begin{array}{cccllllll} \mathrm{P}(n,r)&:=&\displaystyle\frac{n!}{(n-r)!} \\ \\ \mathrm{P}_{n,r}&:=&\displaystyle\frac{n!}{(n-r)!} \\ \\ \displaystyle {}_n\mathrm{P}_r&:=&\displaystyle\frac{n!}{(n-r)!} \end{array}

 

上が「重複順列」で

下が「順列」と呼ばれています。

 

 

 

 

 

繰り返しを許す順列

 

A,B 」を「 2 つ並べる」時の

『並び方』の「総数」は

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle AA & AB & BA & BB \end{array}

 

以上の 4 通り

これはすぐ分かると思います。

 

 

で、これどうやって求めたかって話なんですが

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle A \begin{cases} A \\ B \end{cases} \\ \\ \displaystyle B\begin{cases} A \\ B \end{cases} \end{array}

 

だいたいの人はこうやってると思います。

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle A \begin{cases} A\begin{cases} A \\ B \end{cases} \\ B\begin{cases} A \\ B \end{cases} \end{cases} \\ \\ \displaystyle B\begin{cases} A\begin{cases} A \\ B \end{cases} \\ B\begin{cases} A \\ B \end{cases} \end{cases} \end{array}

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle A \begin{cases} A \\ B \\ C \end{cases} \\ \\ \displaystyle B\begin{cases} A \\ B \\ C \end{cases} \\ \\ \displaystyle C \begin{cases} A \\ B \\ C \end{cases} \end{array}

 

で、このやり方は数が増えても通用しますから

 

\displaystyle \overbrace {n\,個 \begin{cases} n\,個(1) \begin{cases}n\,個(1)\begin{cases}...\end{cases}\\n\,個(2)\begin{cases}...\end{cases}\\n\,個(3)\begin{cases}...\end{cases}\\...\end{cases} \\ n\,個(2) \begin{cases}n\,個(1)\begin{cases}...\end{cases}\\n\,個(2)\begin{cases}...\end{cases}\\n\,個(3)\begin{cases}...\end{cases}\\...\end{cases} \\ n\,個(3) \begin{cases}n\,個(1)\begin{cases}...\end{cases}\\n\,個(2)\begin{cases}...\end{cases}\\n\,個(3)\begin{cases}...\end{cases}\\...\end{cases} \\ ... \end{cases} }^{r}

 

この「並び方の総数」は

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle \underbrace{n\times n\times \cdots \times n}_{r}&=&n^r \end{array}

 

「違うとしたものが n 個」あって

r 個並べる」なので、こうなる

これは直感的にすぐ分かると思います。

 

 

 

 

 

繰り返しを許さない順列

 

『選んだら減る』並べ方については

これは ↑ みたいにやると ↓ みたいにできます。

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle A \begin{cases} B \\ C \end{cases} \\ \\ \displaystyle B\begin{cases} A \\ C \end{cases} \\ \\ \displaystyle C\begin{cases} A \\ B \end{cases} \end{array}

 

\displaystyle \overbrace {n\,個 \begin{cases} n-1\,個(1\,以外) \begin{cases}n-2\,個(1,2\,以外)\begin{cases}...\end{cases}\\n-2\,個(1,3\,以外)\begin{cases}...\end{cases}\\n-2\,個(1,4\,以外)\begin{cases}...\end{cases}\\...\end{cases} \\ n-1\,個(2\,以外) \begin{cases}n-2\,個(2,1\,以外)\begin{cases}...\end{cases}\\n-2\,個(2,3\,以外)\begin{cases}...\end{cases}\\n-2\,個(2,4\,以外)\begin{cases}...\end{cases}\\...\end{cases} \\ n-1\,個(3\,以外) \begin{cases}n-2\,個(3,1\,以外)\begin{cases}...\end{cases}\\n-2\,個(3,2\,以外)\begin{cases}...\end{cases}\\n-2\,個(3,4\,以外)\begin{cases}...\end{cases}\\...\end{cases} \\ ... \end{cases} }^{r}

 

この表現には『階乗 n! 』っていう

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle n!&:=&n(n-1)(n-2)(n-3)\cdots 3 \times 2 \times 1 \end{array}

 

こういうやつが必要で

 

 

「並び方の総数」は

だいたい ↓ のように表現されます。

 

\displaystyle \overbrace{n(n-1)(n-2)\cdots(n-r+1)}^{r}

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle &&\displaystyle \overbrace{n(n-1)\cdots(n-r+1)}^{r} \\ \\ \\ &&\displaystyle n(n-1)\cdots(n-r+1) \times 1 \\ \\ &=&\displaystyle n(n-1)\cdots(n-r+1)\frac{(n-r)!}{(n-r)!} \\ \\ &=&\displaystyle \frac{n!}{(n-r)!}\end{array}

 

念のため確認しておくと

「全て並べる」場合はもちろん ↓ になります。

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle && \overbrace{n(n-1)\cdots(n-r+1)}^{n} \\ \\ &=&n(n-1)\cdots(n-n+1) \\ \\ \\ &=&n(n-1)\cdots 2\times 1 \\ \\ &=&n! \end{array}

 

これについては

計算しなくても直感的にすぐ分かると思います。

 

 

 

最後、補足しておくと

慣例ですがこれはだいたい ↓ みたいに書かれます。

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle \displaystyle {}_n\mathrm{P}_r&:=&\displaystyle\frac{n!}{(n-r)!} \end{array}

 

他の書かれ方はあんま見ないですね。

 

 

 


 


同じ要素を区別しない場合の順列

 

AAB 」みたいな時の

AA 」を『区別しない』並べ方の総数は

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle \frac{n!}{k!} \end{array}

 

『全て並べる』とした場合

n 個の中で1つの要素が k 個同じ」なら

まあこうなるんですけど

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle\textcolor{pink}{ A \begin{cases} A\begin{cases} B \end{cases} \\ B \begin{cases} A \end{cases}\end{cases}} \\ \\ \displaystyle \textcolor{pink}{A\begin{cases} A\begin{cases} B \end{cases} \\ B\begin{cases} A \end{cases} \end{cases}} \\ \\ \displaystyle B\begin{cases} \textcolor{skyblue}{A\begin{cases} A \end{cases}} \\ \textcolor{skyblue}{A\begin{cases} A \end{cases}} \end{cases} \end{array}

 

なんとなくそうなりそうだとは思えますが

これだけ見てもよく分かんないと思います。

 

 


 

 

具体的な感じ

 

『区別する』場合

AA 」は「 A_1,A_2 」とでもすれば

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle A_1 \begin{cases} A_2\begin{cases} B \end{cases} \\ B \begin{cases} A_2 \end{cases}\end{cases} \\ \\ \displaystyle A_2\begin{cases} A_1\begin{cases} B \end{cases} \\ B\begin{cases} A_1 \end{cases} \end{cases} \\ \\ \displaystyle B\begin{cases} A_1\begin{cases} A_2 \end{cases} \\ A_2\begin{cases} A_1 \end{cases} \end{cases} \end{array}

 

並び方の総数は {}_3\mathrm{P}_3=3!

これはまあ順列を理解していれば当然で

疑問の余地はありません。

 

 

で、これと比較すると

『区別しない』場合並び方は

(AAB),(ABA),(BAA) 」の 3 通りで

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle 6&&\to&&3 \end{array}

 

「区別する」場合の半分になってるわけですが

 

 

なんでこうなるのか

どういう計算がなされているのか

具体的にはよく分からないと思います。

 

 

 

 

 

具体的な計算の中身

 

いったいどういった計算をしているのか。

 

\displaystyle \frac{{}_3\mathrm{P}_3}{2}=3

 

やってることを単純に見ると

まあこうなんですけど

 

 

この「分母」の 2 がどう決まってるのか

この時の「並び方の総数」がどうして半分になるのか

 

 

この時点じゃよく分かりません。

 

 

A_1A_2 を入れ替えても同じ』

この事実からなんとなく察することはできますが

まだこの時点では計算の中身は不明です。

 

 

 

 

 

分かることで見てみる

 

『区別する』パターンは分かっている

その材料を元に考えてみると

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle A_1 \begin{cases} A_2\begin{cases} B \end{cases} \\ B \begin{cases} A_2 \end{cases}\end{cases} \\ \\ \displaystyle A_2\begin{cases} A_1\begin{cases} B \end{cases} \\ B\begin{cases} A_1 \end{cases} \end{cases} \\ \\ \displaystyle B\begin{cases} A_1\begin{cases} A_2 \end{cases} \\ A_2\begin{cases} A_1 \end{cases} \end{cases} \end{array} ⇐ \begin{array}{llllll} \displaystyle \displaystyle\textcolor{pink}{ A \begin{cases} A\begin{cases} B \end{cases} \\ B \begin{cases} A \end{cases}\end{cases}} \\ \\ \displaystyle \textcolor{pink}{A\begin{cases} A\begin{cases} B \end{cases} \\ B\begin{cases} A \end{cases} \end{cases}} \\ \\ \displaystyle B\begin{cases} \textcolor{skyblue}{A\begin{cases} A \end{cases}} \\ \textcolor{skyblue}{A\begin{cases} A \end{cases}} \end{cases} \end{array}

 

よく分からない「区別しない」並べ方の総数 p

 

 

これを計算するために

一度すべて並べてみて

A を区別する」パターンに増やす

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle AAB&ABA&BAA \end{array}

\begin{array}{llllll} \displaystyle AA &\to& \begin{array}{llllll} \displaystyle A_1A_2 \\ A_2A_1 \end{array} \end{array}

 

\begin{array}{rllllll} \displaystyle \overbrace{2!+2!+2!}^{p}&=&{}_3\mathrm{P}_3 \\ \\ p \times 2!&=&{}_3\mathrm{P}_3 \end{array}

 

そんな操作を行ってみると

このような形で表現できるのは明らか

 

\begin{array}{lcclllll} \displaystyle p \times 2!&=&{}_3\mathrm{P}_3 \\ \\ \\ p&=&\displaystyle\frac{3!}{2!} \\ \\ &=&\displaystyle\frac{3\times 2\times 1}{2\times 1} \end{array}

 

となればこの事実から

「区別しない」パターンは

こういう感じで計算されていると考えられます。

 

 


 

 

一般化

 

これを一般化して考えてみると

n 個を全部並べる」として

『ある1つの要素が k 個』ある

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle e_1&e_2&\cdots&e_{n-k}&\overbrace{\begin{array}{llllll} \displaystyle e&e&\cdots&e \end{array}}^{k} \end{array}

 

とまあこんな感じになるわけですが

これも ↑ の話と同様にすれば

 

\begin{array}{rllllll} \overbrace{k!+k!+\cdots +k!}^{p} \\ \\ p\times k!&=& \displaystyle n! \end{array}

 

ここで求めたい

『区別しない並べ方の総数 p 』は

このような形で表現できます。

 

 

 

 

 

具体的に見てみる

 

↑ じゃ分かり辛いかもしれないので

とりあえず「 2 つ同じ」パターンを考えてみると

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle e_1&e_2&\cdots&e_{n-2}&\overbrace{\begin{array}{llllll} \displaystyle e&e \end{array}}^{2} \end{array}

 

これはもうそのまま

3つで考えた時と同様の話になるので

 

\begin{array}{rllllll} \overbrace{2!+2!+\cdots +2!}^{p} \\ \\ \displaystyle p \times 2!&=&\displaystyle n! \end{array}

 

こうなるのはすぐに分かると思います。

 

 

 

「同じものが 3 つ」の時も同様

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle e_1&e_2&\cdots&e_{n-3}&\overbrace{\begin{array}{llllll} \displaystyle e&e&e \end{array}}^{3} \end{array}

 

2 つの時と同様に

eee 」を区別すれば

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle (abc)&(acb) \\ \\ (bac)&(bca) \\ \\ (cab)&(cba) \end{array}

 

こうですから

「区別しない」パターンのやつは

 

\begin{array}{rllllll} \overbrace{3!+3!+\cdots+3!}^{p} \\ \\ \displaystyle p \times 3!&=&n! \end{array}

 

こうなります。

 

 

 

同様にしてどんどん増やしていけば

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle p*k!&=&n! \end{array}

 

最終的にこうなる

 

 

とまあこんな感じで

『全て並べる』時

「一つの要素が k 個重複している」なら

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle p*k!=n! &⇒&&\displaystyle p=\frac{n!}{k!} \end{array}

 

その並び方の総数はこうなると言えます。

 

 

 

 

 

重複するやつが複数の場合

 

これは同じように

例えば「 AABB 」のような場合でも成立します。

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle AABB & ABAB & ABBA \\ \\ BAAB & BABA & BAAB \end{array}

 

やり方は ↑ と同じです。

「区別しない」パターンの総数 p

 

\begin{array}{rllllll} \displaystyle \overbrace{2!2!+2!2!+\cdots+2!2!}^{p}&=&4! \\ \\ p2!2! &=&4! \end{array}

 

「区別する」パターンに組み込めば

同様の手順で求められます。

 

 

これを一般化すれば ↓

 

\displaystyle \frac{n!}{k_1!k_2}

 

更に一般化すれば

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle \frac{n!}{k_1!k_2!\cdots} \end{array}

 

このような形が得られます。

 

 

 


 


組合せ Combination,Choose

 

|| あれとそれとこれは選んで他は選ばない

「選び方」が何通りあるかの『数え方』

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle {}_n \mathrm{C}_r &:=&\displaystyle\frac{n!}{r!(n-r)!} \\ \\ &=&{}_n \mathrm{C}_{n-r} \\ \\ \\ \displaystyle {}_n\mathrm{H}_r&:=&\displaystyle\frac{(n-1+r)!}{(n-1)!r!} \\ \\ &=&\mathrm{}_{n-1+r}\mathrm{C}_{r} \end{array}

 

上が「組み合せ」

下が「重複組み合せ」です。

 

 

 

 

 

選んだやつは選べない組み合せ

 

『選ぶ・選ばない』で作られる「順列」のこと

 

\displaystyle\frac{n!}{r!(n-r)!}

 

具体的には

A,B,C 」で考えると

ここから「 2 つ選ぶ」時

 

\begin{array}{ccccccl} \displaystyle A&B&C \\ \\ 〇&〇&× \\ \\ 〇&×&〇 \\ \\ ×&〇&〇 \end{array}

 

その選び方は 3 通り

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle \frac{n!}{r!(n-r)!} \end{array}

 

n 個』の中から

r 個選ぶ』時もこれは同様になります。

 

 

 

 

 

組み合せの導出

 

「選ぶことを示す 」が『 r 個』ある

「選ばないことを示す × 」が『 n-r 個』ある

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle \overbrace{〇〇〇\cdots 〇}^{r}\underbrace{×××\cdots ×}_{n-r} \end{array}

 

こんな感じに考えると

『選び方』は 〇× の順列なので

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle n! \end{array}

 

〇× の数に依らず

〇× を区別するならこう

 

\begin{array}{rllllll} \displaystyle \overbrace{r!(n-r)!+r!(n-r)!+\cdots +r!(n-r)!}^{p}&=&n! \\ \\ \displaystyle pr!(n-r)!&=&n! \\ \\ p&=&\displaystyle \frac{n!}{r!(n-r)!} \end{array}

 

で、選ぶ r 個だとするなら

選ばない × は当然 n-r 個ですから

区別しない場合はもちろんこうなります。

 

 


 

 

選んだやつをまた選べる組合せ

 

同じものを何度選んでも良い『選び方』

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle {}_n\mathrm{H}_r&:=&\displaystyle\frac{(n-1+r)!}{(n-1)!r!} \\ \\ &=&\mathrm{}_{n-1+r}\mathrm{C}_{r} \end{array}

 

具体的には

例えば「 A,B 」があって

そこから「 3 回選ぶ」とすると

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle AAA&AAB&ABB&BBB \end{array}

 

その「選び方」はこの 4 通りになりますよね。

 

 

これが「重複組み合せ」と言われるもので

これもまた「順列」によって一般形が得られます。

 

 

 

 

 

重複組み合わせの導出

 

これは「仕切り | 」を考えることで

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle AA|| & A|B| & |BB| \\ \\ |B|C & ||CC &A||C \end{array}

 

一般形を求めることができます。

 

 

というのも

この「仕切りの位置」で

『要素の個数』が決まるとすると

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle |XXX & X|XX & XX|X & XXX| \end{array}

 

例えば「 3 つ並べる」とするなら

「仕切りの左に A 」として

「仕切りの右に B 」とすれば

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle AAA| & AA|B & A|BB & |BBB \end{array}

 

A,B 」の個数は

『仕切り』の位置で一意に定まります。

 

 

つまり「仕切り」と「選ぶ個数」が決まれば

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle XXX||| \end{array}

 

この組み合わせの総数は決まるわけです。

 

 

この事実から

「選ぶ選択肢の種類 n 個」から

『選ぶ数を r 個』とすると

 

 

『仕切り』は「間」に来るので

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle A|B|C|D \end{array}

 

n-1 個」ですから

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle \overbrace{XXX\cdots X}^{r}\underbrace{|||\cdots |}_{n-1} \end{array}

 

『仕切りの数』と『選ぶ数』から

全体の数 n-1+r が得られて

 

\begin{array}{rllllll} \displaystyle \overbrace{r!(n-1)!+\cdots+r!(n-1)}^{p}&=&(r+n-1)! \\ \\ \displaystyle pr!(n-r)!&=&(r+n-1)! \\ \\ \displaystyle p&=&\displaystyle\frac{(n-1+r)!}{(n-1)!r!} \end{array}

 

この「順列」と「重複」を考えると

結果、こうなることが分かります。

 

 

 

 

 


二項定理 Binomial Theorem

 

|| 数え上げの主要な成果の一つ

n 次多項式の「係数」についての定理

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle (x+a)^2&=&x^2+2ax+a^2 \\ \\ (x+a)^3&=&x^3+3ax^2+3a^2x+a^3 \end{array}

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle (a+b)^n &=&\displaystyle(a+b)(a+b)(a+b)\cdots(a+b) \\ \\ &=&{}_n \mathrm{C}_0a^nb^0 + {}_n \mathrm{C}_1a^{n-1}b^1 +\cdots+{}_n \mathrm{C}_n a^0b^n \end{array}

 

いろいろなところでかなり便利なので

覚えておきたいやつになります。

 

 

 

 

 

二項定理の導出

 

組み合わせを理解していれば

これはわりと簡単に理解できます。

 

\begin{array}{rrrrllll} \displaystyle (a+b)^4&=&(a+b)(a+b)(a+b)(a+b) \\ \\ &=&\begin{array}{rrllllll} \displaystyle &a(a+b)(a+b)(a+b) \\ +& b(a+b)(a+b)(a+b) \end{array} \\ \\ &=&\begin{array}{rrllllll} \displaystyle &aa(a+b)(a+b) \\ +& ab(a+b)(a+b) \\ +&ba(a+b)(a+b) \\ +&bb(a+b)(a+b) \end{array} \end{array}

 

\begin{array}{rllllll} \displaystyle & aaaa&+&aaab&+&aaba&+&aabb \\ \\ +&abaa&+&abab&+&abba&+&abbb \\ \\ +&baaa&+&baab&+&baba&+&babb \\ \\ +&bbaa&+&bbab&+&bbba&+&bbbb \end{array}

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle a^4b^0 &&{}_4 \mathrm{C}_4 \\ \\ a^3b^1 &&{}_4 \mathrm{C}_3 \\ \\ a^2b^2 &&{}_4 \mathrm{C}_2 \\ \\ a^1b^3 &&{}_4 \mathrm{C}_1 \\ \\ a^0b^4 &&{}_4 \mathrm{C}_0 \end{array}

 

というのも

例えば n=4 のパターンはこう

 

\begin{array}{rrrrllll} \displaystyle (a+b)^n&=&\displaystyle \overbrace{ (a+b)(a+b)(a+b)\cdots (a+b)}^{n} \\ \\ &=&\begin{array}{rrllllll} \displaystyle &a(a+b)(a+b)\cdots(a+b) \\ +& b(a+b)(a+b)\cdots(a+b) \end{array} \\ \\ &=&\begin{array}{rrllllll} \displaystyle &aa(a+b)\cdots(a+b) \\ +& ab(a+b)\cdots(a+b) \\ +&ba(a+b)\cdots(a+b) \\ +&bb(a+b)\cdots(a+b) \end{array} \end{array}

 

つまり n だとこうなるので

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle a^nb^0 &&{}_n \mathrm{C}_0 \\ \\ a^{n-1}b^1 &&{}_n \mathrm{C}_1 \\ \\ &\vdots& \\ \\ a^1b^{n-1} &&{}_n \mathrm{C}_{n-1} \\ \\ a^0b^n &&{}_n \mathrm{C}_n \end{array}

 

必然、係数はこうなります。

 

 

 

以上のことから

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle (a+b)^n&=&{}_n \mathrm{C}_0a^nb^0 + {}_n \mathrm{C}_1a^{n-1}b^1 +\cdots+{}_n \mathrm{C}_n a^0b^n \\ \\ &=&\displaystyle\sum_{k=0}^{n} {}_n \mathrm{C}_k a^{n-k}b^{k} \end{array}

 

二項定理が導かれて

 

\begin{array}{llllll} (1+1)^n&=&{}_n \mathrm{C}_01^n1^0 + {}_n \mathrm{C}_11^{n-1}1^1 +\cdots+{}_n \mathrm{C}_n 1^01^n \\ \\ &=&{}_n \mathrm{C}_0 + {}_n \mathrm{C}_1 +\cdots+{}_n \mathrm{C}_n \\ \\ &=&\displaystyle\sum_{k=0}^{n} {}_n \mathrm{C}_k \end{array}

 

例えばこんな等式が得られたりします。