|| そのまま個数を数えるやり方とか
順列とか組み合わせとかの話
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目次
数え上げ「順列とか組合せとか使うやつ」
順列「順番に並べる時に並べ方は何通りあるか」
同じ要素を区別しない「同じものを入れ替えても同じ」
具体例「実際どんな感じか」
一般化「正しさについて帰納的に見てみる」
個数を指定「成立しない場合を確認」
組合せ「1つを1回だけ選ぶ時に選び方は何通りあるか」
重複組み合せ「同じものも選んで良い場合」
二項定理「 n 次多項式展開の係数について」
数え上げ Counting
|| 自然数に並ぶくらい基礎的な数学の根幹
数学と言えばだいたい何かを数えています。
\begin{array}{llllll} \displaystyle n!&:=&n(n-1)(n-2)(n-3)\cdots 3 \times 2\times 1 \end{array}
\begin{array}{llllll} \displaystyle {}_n\mathrm{P}_r&:=&\displaystyle\frac{n!}{(n-r)!} \\ \\ {}_n\mathrm{C}_r&:=&\displaystyle \frac{n!}{(n-r)!r!} \\ \\ \\ {}_n\mathrm{H}_r&:=&\displaystyle\frac{(n-1+r)!}{(n-1)!r!} \end{array}
実用レベルではだいたいこういうのが。
順列 Permutation
|| 順番に並んでる列
「並び」が何通りあるかを『数える方法』
\begin{array}{llllll} \displaystyle {}_n\mathrm{π}_r&:=&n^r \end{array}
\begin{array}{cccllllll} \mathrm{P}(n,r)&:=&\displaystyle\frac{n!}{(n-r)!} \\ \\ \mathrm{P}_{n,r}&:=&\displaystyle\frac{n!}{(n-r)!} \\ \\ \displaystyle {}_n\mathrm{P}_r&:=&\displaystyle\frac{n!}{(n-r)!} \end{array}
上が「重複順列」で
下が「順列」と呼ばれています。
繰り返しを許す順列
「 A,B 」を「 2 つ並べる」時の
『並び方』の「総数」は
\begin{array}{llllll} \displaystyle AA & AB & BA & BB \end{array}
以上の 4 通り
これはすぐ分かると思います。
で、これどうやって求めたかって話なんですが
\begin{array}{llllll} \displaystyle A \begin{cases} A \\ B \end{cases} \\ \\ \displaystyle B\begin{cases} A \\ B \end{cases} \end{array}
だいたいの人はこうやってると思います。
\begin{array}{llllll} \displaystyle A \begin{cases} A\begin{cases} A \\ B \end{cases} \\ B\begin{cases} A \\ B \end{cases} \end{cases} \\ \\ \displaystyle B\begin{cases} A\begin{cases} A \\ B \end{cases} \\ B\begin{cases} A \\ B \end{cases} \end{cases} \end{array}
\begin{array}{llllll} \displaystyle A \begin{cases} A \\ B \\ C \end{cases} \\ \\ \displaystyle B\begin{cases} A \\ B \\ C \end{cases} \\ \\ \displaystyle C \begin{cases} A \\ B \\ C \end{cases} \end{array}
で、このやり方は数が増えても通用しますから
\displaystyle \overbrace {n\,個 \begin{cases} n\,個(1) \begin{cases}n\,個(1)\begin{cases}...\end{cases}\\n\,個(2)\begin{cases}...\end{cases}\\n\,個(3)\begin{cases}...\end{cases}\\...\end{cases} \\ n\,個(2) \begin{cases}n\,個(1)\begin{cases}...\end{cases}\\n\,個(2)\begin{cases}...\end{cases}\\n\,個(3)\begin{cases}...\end{cases}\\...\end{cases} \\ n\,個(3) \begin{cases}n\,個(1)\begin{cases}...\end{cases}\\n\,個(2)\begin{cases}...\end{cases}\\n\,個(3)\begin{cases}...\end{cases}\\...\end{cases} \\ ... \end{cases} }^{r}
この「並び方の総数」は
\begin{array}{llllll} \displaystyle \underbrace{n\times n\times \cdots \times n}_{r}&=&n^r \end{array}
「違うとしたものが n 個」あって
「 r 個並べる」なので、こうなる
これは直感的にすぐ分かると思います。
繰り返しを許さない順列
『選んだら減る』並べ方については
これは ↑ みたいにやると ↓ みたいにできます。
\begin{array}{llllll} \displaystyle A \begin{cases} B \\ C \end{cases} \\ \\ \displaystyle B\begin{cases} A \\ C \end{cases} \\ \\ \displaystyle C\begin{cases} A \\ B \end{cases} \end{array}
\displaystyle \overbrace {n\,個 \begin{cases} n-1\,個(1\,以外) \begin{cases}n-2\,個(1,2\,以外)\begin{cases}...\end{cases}\\n-2\,個(1,3\,以外)\begin{cases}...\end{cases}\\n-2\,個(1,4\,以外)\begin{cases}...\end{cases}\\...\end{cases} \\ n-1\,個(2\,以外) \begin{cases}n-2\,個(2,1\,以外)\begin{cases}...\end{cases}\\n-2\,個(2,3\,以外)\begin{cases}...\end{cases}\\n-2\,個(2,4\,以外)\begin{cases}...\end{cases}\\...\end{cases} \\ n-1\,個(3\,以外) \begin{cases}n-2\,個(3,1\,以外)\begin{cases}...\end{cases}\\n-2\,個(3,2\,以外)\begin{cases}...\end{cases}\\n-2\,個(3,4\,以外)\begin{cases}...\end{cases}\\...\end{cases} \\ ... \end{cases} }^{r}
この表現には『階乗 n! 』っていう
\begin{array}{llllll} \displaystyle n!&:=&n(n-1)(n-2)(n-3)\cdots 3 \times 2 \times 1 \end{array}
こういうやつが必要で
「並び方の総数」は
だいたい ↓ のように表現されます。
\displaystyle \overbrace{n(n-1)(n-2)\cdots(n-r+1)}^{r}
\begin{array}{llllll} \displaystyle &&\displaystyle \overbrace{n(n-1)\cdots(n-r+1)}^{r} \\ \\ \\ &&\displaystyle n(n-1)\cdots(n-r+1) \times 1 \\ \\ &=&\displaystyle n(n-1)\cdots(n-r+1)\frac{(n-r)!}{(n-r)!} \\ \\ &=&\displaystyle \frac{n!}{(n-r)!}\end{array}
念のため確認しておくと
「全て並べる」場合はもちろん ↓ になります。
\begin{array}{llllll} \displaystyle && \overbrace{n(n-1)\cdots(n-r+1)}^{n} \\ \\ &=&n(n-1)\cdots(n-n+1) \\ \\ \\ &=&n(n-1)\cdots 2\times 1 \\ \\ &=&n! \end{array}
これについては
計算しなくても直感的にすぐ分かると思います。
最後、補足しておくと
慣例ですがこれはだいたい ↓ みたいに書かれます。
\begin{array}{llllll} \displaystyle \displaystyle {}_n\mathrm{P}_r&:=&\displaystyle\frac{n!}{(n-r)!} \end{array}
他の書かれ方はあんま見ないですね。
同じ要素を区別しない場合の順列
「 AAB 」みたいな時の
「 A と A 」を『区別しない』並べ方の総数は
\begin{array}{llllll} \displaystyle \frac{n!}{k!} \end{array}
『全て並べる』とした場合
「 n 個の中で1つの要素が k 個同じ」なら
まあこうなるんですけど
\begin{array}{llllll} \displaystyle\textcolor{pink}{ A \begin{cases} A\begin{cases} B \end{cases} \\ B \begin{cases} A \end{cases}\end{cases}} \\ \\ \displaystyle \textcolor{pink}{A\begin{cases} A\begin{cases} B \end{cases} \\ B\begin{cases} A \end{cases} \end{cases}} \\ \\ \displaystyle B\begin{cases} \textcolor{skyblue}{A\begin{cases} A \end{cases}} \\ \textcolor{skyblue}{A\begin{cases} A \end{cases}} \end{cases} \end{array}
なんとなくそうなりそうだとは思えますが
これだけ見てもよく分かんないと思います。
具体的な感じ
『区別する』場合
「 AA 」は「 A_1,A_2 」とでもすれば
\begin{array}{llllll} \displaystyle A_1 \begin{cases} A_2\begin{cases} B \end{cases} \\ B \begin{cases} A_2 \end{cases}\end{cases} \\ \\ \displaystyle A_2\begin{cases} A_1\begin{cases} B \end{cases} \\ B\begin{cases} A_1 \end{cases} \end{cases} \\ \\ \displaystyle B\begin{cases} A_1\begin{cases} A_2 \end{cases} \\ A_2\begin{cases} A_1 \end{cases} \end{cases} \end{array}
並び方の総数は {}_3\mathrm{P}_3=3!
これはまあ順列を理解していれば当然で
疑問の余地はありません。
で、これと比較すると
『区別しない』場合並び方は
「 (AAB),(ABA),(BAA) 」の 3 通りで
\begin{array}{llllll} \displaystyle 6&&\to&&3 \end{array}
「区別する」場合の半分になってるわけですが
なんでこうなるのか
どういう計算がなされているのか
具体的にはよく分からないと思います。
具体的な計算の中身
いったいどういった計算をしているのか。
\displaystyle \frac{{}_3\mathrm{P}_3}{2}=3
やってることを単純に見ると
まあこうなんですけど
この「分母」の 2 がどう決まってるのか
この時の「並び方の総数」がどうして半分になるのか
この時点じゃよく分かりません。
『 A_1 と A_2 を入れ替えても同じ』
この事実からなんとなく察することはできますが
まだこの時点では計算の中身は不明です。
分かることで見てみる
『区別する』パターンは分かっている
その材料を元に考えてみると
\begin{array}{llllll} \displaystyle A_1 \begin{cases} A_2\begin{cases} B \end{cases} \\ B \begin{cases} A_2 \end{cases}\end{cases} \\ \\ \displaystyle A_2\begin{cases} A_1\begin{cases} B \end{cases} \\ B\begin{cases} A_1 \end{cases} \end{cases} \\ \\ \displaystyle B\begin{cases} A_1\begin{cases} A_2 \end{cases} \\ A_2\begin{cases} A_1 \end{cases} \end{cases} \end{array} ⇐ \begin{array}{llllll} \displaystyle \displaystyle\textcolor{pink}{ A \begin{cases} A\begin{cases} B \end{cases} \\ B \begin{cases} A \end{cases}\end{cases}} \\ \\ \displaystyle \textcolor{pink}{A\begin{cases} A\begin{cases} B \end{cases} \\ B\begin{cases} A \end{cases} \end{cases}} \\ \\ \displaystyle B\begin{cases} \textcolor{skyblue}{A\begin{cases} A \end{cases}} \\ \textcolor{skyblue}{A\begin{cases} A \end{cases}} \end{cases} \end{array}
よく分からない「区別しない」並べ方の総数 p
これを計算するために
一度すべて並べてみて
「 A を区別する」パターンに増やす
\begin{array}{llllll} \displaystyle AAB&ABA&BAA \end{array}
\begin{array}{llllll} \displaystyle AA &\to& \begin{array}{llllll} \displaystyle A_1A_2 \\ A_2A_1 \end{array} \end{array}
\begin{array}{rllllll} \displaystyle \overbrace{2!+2!+2!}^{p}&=&{}_3\mathrm{P}_3 \\ \\ p \times 2!&=&{}_3\mathrm{P}_3 \end{array}
そんな操作を行ってみると
このような形で表現できるのは明らか
\begin{array}{lcclllll} \displaystyle p \times 2!&=&{}_3\mathrm{P}_3 \\ \\ \\ p&=&\displaystyle\frac{3!}{2!} \\ \\ &=&\displaystyle\frac{3\times 2\times 1}{2\times 1} \end{array}
となればこの事実から
「区別しない」パターンは
こういう感じで計算されていると考えられます。
一般化
これを一般化して考えてみると
「 n 個を全部並べる」として
『ある1つの要素が k 個』ある
\begin{array}{llllll} \displaystyle e_1&e_2&\cdots&e_{n-k}&\overbrace{\begin{array}{llllll} \displaystyle e&e&\cdots&e \end{array}}^{k} \end{array}
とまあこんな感じになるわけですが
これも ↑ の話と同様にすれば
\begin{array}{rllllll} \overbrace{k!+k!+\cdots +k!}^{p} \\ \\ p\times k!&=& \displaystyle n! \end{array}
ここで求めたい
『区別しない並べ方の総数 p 』は
このような形で表現できます。
具体的に見てみる
↑ じゃ分かり辛いかもしれないので
とりあえず「 2 つ同じ」パターンを考えてみると
\begin{array}{llllll} \displaystyle e_1&e_2&\cdots&e_{n-2}&\overbrace{\begin{array}{llllll} \displaystyle e&e \end{array}}^{2} \end{array}
これはもうそのまま
3つで考えた時と同様の話になるので
\begin{array}{rllllll} \overbrace{2!+2!+\cdots +2!}^{p} \\ \\ \displaystyle p \times 2!&=&\displaystyle n! \end{array}
こうなるのはすぐに分かると思います。
「同じものが 3 つ」の時も同様
\begin{array}{llllll} \displaystyle e_1&e_2&\cdots&e_{n-3}&\overbrace{\begin{array}{llllll} \displaystyle e&e&e \end{array}}^{3} \end{array}
2 つの時と同様に
「 eee 」を区別すれば
\begin{array}{llllll} \displaystyle (abc)&(acb) \\ \\ (bac)&(bca) \\ \\ (cab)&(cba) \end{array}
こうですから
「区別しない」パターンのやつは
\begin{array}{rllllll} \overbrace{3!+3!+\cdots+3!}^{p} \\ \\ \displaystyle p \times 3!&=&n! \end{array}
こうなります。
同様にしてどんどん増やしていけば
\begin{array}{llllll} \displaystyle p*k!&=&n! \end{array}
最終的にこうなる
とまあこんな感じで
『全て並べる』時
「一つの要素が k 個重複している」なら
\begin{array}{llllll} \displaystyle p*k!=n! &⇒&&\displaystyle p=\frac{n!}{k!} \end{array}
その並び方の総数はこうなると言えます。
重複するやつが複数の場合
これは同じように
例えば「 AABB 」のような場合でも成立します。
\begin{array}{llllll} \displaystyle AABB & ABAB & ABBA \\ \\ BAAB & BABA & BAAB \end{array}
やり方は ↑ と同じです。
「区別しない」パターンの総数 p を
\begin{array}{rllllll} \displaystyle \overbrace{2!2!+2!2!+\cdots+2!2!}^{p}&=&4! \\ \\ p2!2! &=&4! \end{array}
「区別する」パターンに組み込めば
同様の手順で求められます。
これを一般化すれば ↓
\displaystyle \frac{n!}{k_1!k_2}
更に一般化すれば
\begin{array}{llllll} \displaystyle \frac{n!}{k_1!k_2!\cdots} \end{array}
このような形が得られます。
組合せ Combination,Choose
|| あれとそれとこれは選んで他は選ばない
「選び方」が何通りあるかの『数え方』
\begin{array}{llllll} \displaystyle {}_n \mathrm{C}_r &:=&\displaystyle\frac{n!}{r!(n-r)!} \\ \\ &=&{}_n \mathrm{C}_{n-r} \\ \\ \\ \displaystyle {}_n\mathrm{H}_r&:=&\displaystyle\frac{(n-1+r)!}{(n-1)!r!} \\ \\ &=&\mathrm{}_{n-1+r}\mathrm{C}_{r} \end{array}
上が「組み合せ」
下が「重複組み合せ」です。
選んだやつは選べない組み合せ
『選ぶ・選ばない』で作られる「順列」のこと
\displaystyle\frac{n!}{r!(n-r)!}
具体的には
「 A,B,C 」で考えると
ここから「 2 つ選ぶ」時
\begin{array}{ccccccl} \displaystyle A&B&C \\ \\ 〇&〇&× \\ \\ 〇&×&〇 \\ \\ ×&〇&〇 \end{array}
その選び方は 3 通り
\begin{array}{llllll} \displaystyle \frac{n!}{r!(n-r)!} \end{array}
『 n 個』の中から
『 r 個選ぶ』時もこれは同様になります。
組み合せの導出
「選ぶことを示す 〇 」が『 r 個』ある
「選ばないことを示す × 」が『 n-r 個』ある
\begin{array}{llllll} \displaystyle \overbrace{〇〇〇\cdots 〇}^{r}\underbrace{×××\cdots ×}_{n-r} \end{array}
こんな感じに考えると
『選び方』は 〇× の順列なので
\begin{array}{llllll} \displaystyle n! \end{array}
〇× の数に依らず
〇× を区別するならこう
\begin{array}{rllllll} \displaystyle \overbrace{r!(n-r)!+r!(n-r)!+\cdots +r!(n-r)!}^{p}&=&n! \\ \\ \displaystyle pr!(n-r)!&=&n! \\ \\ p&=&\displaystyle \frac{n!}{r!(n-r)!} \end{array}
で、選ぶ 〇 を r 個だとするなら
選ばない × は当然 n-r 個ですから
区別しない場合はもちろんこうなります。
選んだやつをまた選べる組合せ
同じものを何度選んでも良い『選び方』
\begin{array}{llllll} \displaystyle {}_n\mathrm{H}_r&:=&\displaystyle\frac{(n-1+r)!}{(n-1)!r!} \\ \\ &=&\mathrm{}_{n-1+r}\mathrm{C}_{r} \end{array}
具体的には
例えば「 A,B 」があって
そこから「 3 回選ぶ」とすると
\begin{array}{llllll} \displaystyle AAA&AAB&ABB&BBB \end{array}
その「選び方」はこの 4 通りになりますよね。
これが「重複組み合せ」と言われるもので
これもまた「順列」によって一般形が得られます。
重複組み合わせの導出
これは「仕切り | 」を考えることで
\begin{array}{llllll} \displaystyle AA|| & A|B| & |BB| \\ \\ |B|C & ||CC &A||C \end{array}
一般形を求めることができます。
というのも
この「仕切りの位置」で
『要素の個数』が決まるとすると
\begin{array}{llllll} \displaystyle |XXX & X|XX & XX|X & XXX| \end{array}
例えば「 3 つ並べる」とするなら
「仕切りの左に A 」として
「仕切りの右に B 」とすれば
\begin{array}{llllll} \displaystyle AAA| & AA|B & A|BB & |BBB \end{array}
「 A,B 」の個数は
『仕切り』の位置で一意に定まります。
つまり「仕切り」と「選ぶ個数」が決まれば
\begin{array}{llllll} \displaystyle XXX||| \end{array}
この組み合わせの総数は決まるわけです。
この事実から
「選ぶ選択肢の種類 n 個」から
『選ぶ数を r 個』とすると
『仕切り』は「間」に来るので
\begin{array}{llllll} \displaystyle A|B|C|D \end{array}
「 n-1 個」ですから
\begin{array}{llllll} \displaystyle \overbrace{XXX\cdots X}^{r}\underbrace{|||\cdots |}_{n-1} \end{array}
『仕切りの数』と『選ぶ数』から
全体の数 n-1+r が得られて
\begin{array}{rllllll} \displaystyle \overbrace{r!(n-1)!+\cdots+r!(n-1)}^{p}&=&(r+n-1)! \\ \\ \displaystyle pr!(n-r)!&=&(r+n-1)! \\ \\ \displaystyle p&=&\displaystyle\frac{(n-1+r)!}{(n-1)!r!} \end{array}
この「順列」と「重複」を考えると
結果、こうなることが分かります。
二項定理 Binomial Theorem
|| 数え上げの主要な成果の一つ
n 次多項式の「係数」についての定理
\begin{array}{llllll} \displaystyle (x+a)^2&=&x^2+2ax+a^2 \\ \\ (x+a)^3&=&x^3+3ax^2+3a^2x+a^3 \end{array}
\begin{array}{llllll} \displaystyle (a+b)^n &=&\displaystyle(a+b)(a+b)(a+b)\cdots(a+b) \\ \\ &=&{}_n \mathrm{C}_0a^nb^0 + {}_n \mathrm{C}_1a^{n-1}b^1 +\cdots+{}_n \mathrm{C}_n a^0b^n \end{array}
いろいろなところでかなり便利なので
覚えておきたいやつになります。
二項定理の導出
組み合わせを理解していれば
これはわりと簡単に理解できます。
\begin{array}{rrrrllll} \displaystyle (a+b)^4&=&(a+b)(a+b)(a+b)(a+b) \\ \\ &=&\begin{array}{rrllllll} \displaystyle &a(a+b)(a+b)(a+b) \\ +& b(a+b)(a+b)(a+b) \end{array} \\ \\ &=&\begin{array}{rrllllll} \displaystyle &aa(a+b)(a+b) \\ +& ab(a+b)(a+b) \\ +&ba(a+b)(a+b) \\ +&bb(a+b)(a+b) \end{array} \end{array}
\begin{array}{rllllll} \displaystyle & aaaa&+&aaab&+&aaba&+&aabb \\ \\ +&abaa&+&abab&+&abba&+&abbb \\ \\ +&baaa&+&baab&+&baba&+&babb \\ \\ +&bbaa&+&bbab&+&bbba&+&bbbb \end{array}
\begin{array}{llllll} \displaystyle a^4b^0 &&{}_4 \mathrm{C}_4 \\ \\ a^3b^1 &&{}_4 \mathrm{C}_3 \\ \\ a^2b^2 &&{}_4 \mathrm{C}_2 \\ \\ a^1b^3 &&{}_4 \mathrm{C}_1 \\ \\ a^0b^4 &&{}_4 \mathrm{C}_0 \end{array}
というのも
例えば n=4 のパターンはこう
\begin{array}{rrrrllll} \displaystyle (a+b)^n&=&\displaystyle \overbrace{ (a+b)(a+b)(a+b)\cdots (a+b)}^{n} \\ \\ &=&\begin{array}{rrllllll} \displaystyle &a(a+b)(a+b)\cdots(a+b) \\ +& b(a+b)(a+b)\cdots(a+b) \end{array} \\ \\ &=&\begin{array}{rrllllll} \displaystyle &aa(a+b)\cdots(a+b) \\ +& ab(a+b)\cdots(a+b) \\ +&ba(a+b)\cdots(a+b) \\ +&bb(a+b)\cdots(a+b) \end{array} \end{array}
つまり n だとこうなるので
\begin{array}{llllll} \displaystyle a^nb^0 &&{}_n \mathrm{C}_0 \\ \\ a^{n-1}b^1 &&{}_n \mathrm{C}_1 \\ \\ &\vdots& \\ \\ a^1b^{n-1} &&{}_n \mathrm{C}_{n-1} \\ \\ a^0b^n &&{}_n \mathrm{C}_n \end{array}
必然、係数はこうなります。
以上のことから
\begin{array}{llllll} \displaystyle (a+b)^n&=&{}_n \mathrm{C}_0a^nb^0 + {}_n \mathrm{C}_1a^{n-1}b^1 +\cdots+{}_n \mathrm{C}_n a^0b^n \\ \\ &=&\displaystyle\sum_{k=0}^{n} {}_n \mathrm{C}_k a^{n-k}b^{k} \end{array}
二項定理が導かれて
\begin{array}{llllll} (1+1)^n&=&{}_n \mathrm{C}_01^n1^0 + {}_n \mathrm{C}_11^{n-1}1^1 +\cdots+{}_n \mathrm{C}_n 1^01^n \\ \\ &=&{}_n \mathrm{C}_0 + {}_n \mathrm{C}_1 +\cdots+{}_n \mathrm{C}_n \\ \\ &=&\displaystyle\sum_{k=0}^{n} {}_n \mathrm{C}_k \end{array}
例えばこんな等式が得られたりします。