真理集合 Truth Set


|| 学校で習ったやつ

これは「真理値」と「集合論」のコネクターです。

二つを結びつける考え方の1つになります。

スポンサーリンク

 

 

命題との関連

 

「真理集合」ってのは、

要は『真理値の感覚を集合で表現したもの』なので、

当然、真偽を判別できる「命題」とは深く関わっています。

 

 

具体的には、

例えば「命題(条件) A(x) 」とした時

『議論領域(見る範囲の全体) U 』とすると、

 

\begin{array}{llllll} A_{\mathrm{set}}&=&\{x∈U \mid A(x)\} \end{array}

 

『条件 A を満たす x の全て』を

このような形で表現することができるわけで。

 

 

 

「命題 A(x) 」によって

『その命題を満たす x の範囲』に限定できる

 

\begin{array}{lllll} \displaystyle A(x) \\ \\ A_{\mathrm{set}} &=&\{x∈U \mid A(x)\} \end{array}

 

まあつまり

「命題」っていう『真偽が判別できる文』を

「命題を満たすもの全て」とできるため、

 

 

『命題と集合を等価とみなせる』

この感覚を「真理集合」は提供してくれるわけです。

 

 

 

 

 

否定と補集合

 

似たような要領で、

「命題記号」もまた『集合』に変換できます。

その中でも「否定」が最も分かりやすいのでまずはそれを紹介。

 

\begin{array}{llllllll} \displaystyle A(x) \\ \\ A_{\mathrm{set}} &=&\{x∈U \mid A(x)\} \\ \\ \\ \displaystyle ¬A(x) \\ \\ \overline{ A_{\mathrm{set}} }&=&U \setminus A_{\mathrm{set}} \end{array}

 

というわけで「否定」ですが、

これは見たまま「補集合」を使って表現されます。

 

\begin{array}{llllll} \displaystyle ¬A(x) \\ \\ \overline{A_{\mathrm{set}} }&=&\{x∈U \mid ¬A(x)\} \end{array}

 

まあ分かると思いますが、

「命題(条件) A 」を満たさない「要素 x 」ってのは、

つまり 「命題(条件) A 」を満たす「要素 x 以外」なわけで、

 

 

となれば、その範囲は A_{\mathrm{set}} の外側。

つまり「全体像 U 」の中の A_{\mathrm{set}} 以外となるので、

そのまま『補集合』を『否定』と等価のものとみなせます。

 

 

 

 

 

真偽と空集合

 

ある「命題 A(x) 」を考えた時、

例えば『条件を満たす x が存在しない』ような

そういう命題(恒偽命題)を作れるわけですが、

 

\begin{array}{lllllll} \displaystyle \mathrm{True} &=& A(x)∨¬A(x) \end{array}

 

\begin{array}{llllll} U&=&\{x∈U \mid A(x)∨¬A(x) \} \\ \\ \\ ∅&=&\overline{U} \end{array}

 

「命題 A(x)∨¬A(x) の真理集合 U 」の『否定』は

必ず『空集合』になってしまいます。

 

 

まあつまり『条件を満たすものがない命題』

『真理集合が空集合 になってしまう命題』は

その範囲内では「恒偽命題」になります。

 

 

 

 

 

否定以外の命題記号

 

「論理包含」以外は直感的に分かると思います。

というのも「条件 B 」も考えると、

 

\begin{array}{llllllll} \displaystyle A_{\mathrm{set}}∪B _{\mathrm{set}} &&A∨B \\ \\ A _{\mathrm{set}} ∩B _{\mathrm{set}} &&A∧B \end{array}

 

まあこんな感じに、

似た振る舞いをすることがすぐに分かるので。

 

 

 

 

 

直感的じゃない論理包含の真理集合

 

「論理包含 」の真理集合は直感じゃ分かりません。

真理値」を根拠にして無理矢理定義するしかないです。

 

A_{\mathrm{set}}∪\overline{ B_{\mathrm{set}} }

 

1 」を「要素あり」

0 」を「要素無し」とします。

 

A_{\mathrm{set}} B_{\mathrm{set}} \overline{B_{\mathrm{set}}} A_{\mathrm{set}}∪\overline{B_{\mathrm{set}}}
1 1 0 1
1 0 1 1
0 1 0 0
0 0 1 1

 

するとまあこうなるわけですが、

これは直感じゃよくわからんと思います。