|| 思えば命題ってなんだっけ?
数理論理学の基礎的なもの。
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「記述の基礎」とも言えますが、
これが基礎と言える理由は数学の成果になります。
目次
・命題「真偽が確定している主張・文・言明・断言」
・命題変数「命題を表す『文字』のこと」
・命題定数「真偽が確定してる命題を表す『文字』のこと」
・原子命題・原子式「命題変数と命題定数でできた命題」
・命題記号へ続く
さて、そもそも命題って何? って話なわけですが、
まあこれはあれです。「文・主張」のことで、
「僕は最強だ」
「お前は間違ってる」
まあこういうやつだと思ってればだいたいそんな感じ。
といっても、これは厳密には「命題」じゃないんですが、
ともかく、要は「主張・文」のことで、
その中でも『真偽が確定している』特別なものを、
「命題」って呼んだりします。
具体的には、
「1は数である」(ほぼ真)
こういうやつが命題で、
「神様はいる」(真偽不明)
こういうのは命題とは言いません。
命題 Proposition
|| 意味があるもの
『真偽が確定した言明』のこと。
(言明:はっきりした主張, 断言)
これは論理学ではこういう風に定義されていて、
そのまま数理論理学に組み込まれています。
「順番」はけっこうぐちゃぐちゃですね。
『真偽が絡む』という点で数学の成果なのは分かりますが、
いつどの段階でこう確定したかはわかりません。
とまあそんな感じなんですけど、
この「命題」は『真偽が確定している』ので、
その結果として、
「数学的に扱うことが可能」
と、まあそんな感じになっています。
具体例
「命題」の具体例をいくらか紹介しておきます。
厳密には『モデル』を構築すべきなんですが、
まあ無くても分かると思うので、それは省略。
というわけでまず「真」なる「命題」なんですが、
これは「 2 は偶数である」だったり
「俺は俺だ」だったり
だいたいはこういう
「当然の事実」を『説明する文』
みたいな形の「主張」を命題って言いますね。
意識する機会はほとんど無いですけど、
ちゃんと言葉を交わす場合、わりと日常的に使います。
「偽」の「命題」も同様で、
「 0 は超越数である」だとか
「あのおっさんは全知全能の神である」だとか
まあこういう
『明らかにおかしな主張』とかも命題ですね。
「分かりやすい嘘」「冗談」なんかでよく使います。
真偽が確定していない主張
当然ですが、主張の中には
「真偽が確定していないもの」もあります。
例えば、
「あれら(分からん)は、数である」とか
「それは人である」とか
それこそ「 x は数である」みたいな
『よく分からない x を含む主張』だと、
真偽は確定できません。
でも、こういうのも確かに主張ですよね?
それこそ、
「あれは全部そうだよ」みたいな
『全て』みたいな言葉が出てくるやつは、
「男は全員なになに」
「女はみんなほにゃらら」
わりとよく見ますし、
こういう主張はだいたい真偽が曖昧です。
ちなみに「 x は A である」「 A(x) 」みたいな部分を、
「述語」と言ったりします。
命題に関する用語
よく見るやつを3つ紹介します。
まあ、よく見るって言っても文献とかでですが。
ともかくこの3つですけど、
最終的には「論理式」に行き着くので、
まあだいたい全部「論理式」だと思ってればOKです。
見た目、厳つい感じがするかもしれませんが、
要は「文字」の『名前』でしかないので。
命題変数 Propositional Variable
|| 命題を変数で表す感じ
これは「命題を示す変数」を表す
『文字』のことを指す用語です。
代表的なものだと、
命題 Proposition の頭文字から、
「 P,Q,R 」というような文字で命題を表すことが多いですね。
命題定数 Propositional Constant
|| 命題を定数で表す感じ
これも文字通りで「命題を示す定数」
つまり「命題そのもの」を表す『文字』のことを指します。
変数との違いは、
見たまま、「定数」となってる部分で、
「定数」である以上、
これは「真な命題」と「偽な命題」のどちらかに必ずなります。
確認しておくと、
「命題」は『真偽が確定』していますから、
とり得る真理値は必ず「真か偽だけ」となるので、
\begin{array}{llllllll} \displaystyle P_{\mathrm{variable}}&&\mathrm{True\,\,or \,\, False} \\ \\ P_{\mathrm{constant}_{\mathrm{true}}}&&\mathrm{True} \\ \\ P_{\mathrm{constant}_{\mathrm{false}}}&&\mathrm{False} \end{array}
命題変数もそうですが、
この命題定数の真偽は「命題である時点」で確定
「命題変数」は「真か偽のどちらか」分かりませんが、
「命題定数」は「真か偽のどちらか」が確定しています。
余談ですが、
「真なる命題」を「恒真(いっつも真)命題」と言って、
「 1,⊤,T,\mathrm{True} 」という感じに書くことがあります。
同様に、
「偽なる命題」は「恒偽命題」と言って
「 0,⊥,F,\mathrm{False} 」なんて書かれることがありますね。
「命題変数」みたいな用語と同様、
これもあまり多用される単語ではありませんが、
文献によっては出てくる言葉なので覚えておきましょう。
特に「恒真命題」は、
「トートロジー」と呼ばれることがあって、
これはわりと見る方なので覚えておくと良いと思います。
原子命題・原子式 Atomic Proposition
|| 原子っていうと大体一番ちっさい感じ
「単一の」命題変数もしくは命題定数
そのどちらかだけで作らていれる『論理式』
命題定数を含めない場合もありますが、
こういう「一個の命題だけ」でできているやつを、
「原子式」なんて呼んだりすることがあります。
これは「命題の最小単位」のようなもので、
「原子式」は『命題から論理式を作った』
ということを強調するための表現になります。
似たような概念として、
「原子論理式・整式」ってのがあるんですけど、
これもまた最小単位ではあるんですが、
こっちは「論理式の」最小単位で、
「原子命題」とはまた別。
『採用される記号』が決定
→ 『原子論理式』が定義される
→「命題変数」が厳密に定義される
→ 『原子命題』が定義できる
順番としてはこんな感じで、
それぞれ独立して定義されます。
命題記号
|| 命題(命題論理)で使われる記号
5つあります。
\begin{array}{llllll} \displaystyle ¬&&\mathrm{not} \\ \\ ∨ && \mathrm{or} \\ \\ ∧ && \mathrm{and} \\ \\ \to && \mathrm{if\text{-}then} \\ \\ ⇔ && \mathrm{equivalent} \end{array}
詳細は長くなってしまうので、
詳しくはリンクを参照してください。